STORYSHO Kizaki
#206-2 規律2部のホストクラブで
2022.1.30
#206-2 規律2部のホストクラブで主戦力だった達也らブルーナイトからの移籍組が、独立を申し出たからだ。といっても、翔に不満があってというわけではなく、むしろ翔のことを考えての申し出だった。 ジュエルのように1つの店舗で2つの業態を運営するのは、2倍の人件費がかかるということ。このやり方だと店舗は1つで済むし、片方がウマくいかない場合、もう片方がフォローすることはできるが、その分、限られた営業時間の中では、売り上げの限界も見えてきてしまう。 ジュエルでは1部のキャバクラと2部のホストの売り上げは同じくらいとなれば、借金を背負った今、どちらか片方だけに整理した方が人件費の分だけ利益を挙げることができる。そう考えた達也は、新人の多いキャバクラより、経験者の多いホストの方が人件費が嵩む事から、翔の負担を減らそうとして退店する事にしたのだ。そしてホスト部門は翔の手から離れ、以降、キャバクラに専念する事になった。後年、首都圏に十数店舗を持つ〝キャバクラの若き帝王〟と呼ばれる輝咲翔の本格的なキャバクラ人生のスタートだった。