STORYSHO Kizaki
#206-6 規律今では頭文字を取って
2022.2.8
#206-6 規律今では頭文字を取って“KIZAKIのA・B・C”と呼ばれているものだ。その内容も至ってシンプルで、「遅刻をしない、身だしなみをちゃんとする、店内をキレイに保つ」といった、社会人として、そして接客業として基本となることを、手を抜かずにキチンとするというものだった。 そういう意識ができる人間は、気配りや立ち振る舞いなど、全てにおいて自然と隙がなくなってくる。それは才能とは関係なく、意識さえすれば誰にでもできることだ。だからこそ、それができる人に客は居心地の良さや快適さを感じるのだと翔は考えていた。 翔の視線はいつも先を見ていたが、背伸びをすることはなかった。下しか向いていないと上には上がれない。だが、上ばかりを見ていては足下の小石に躓いてしまう。そう考えていたからだ。 できることをしっかりやっていけば、必ず次のステップに上がることができる。今までできなかったことができるようになる。1人ひとりが成長することで、店全体が成長できる。