STORYSHO Kizaki
#315-12 葛藤竹原は翔が自分の地位と
2023.1.9
#315-12 葛藤竹原は翔が自分の地位と引き換えにする事も厭わずに、竹原のこれまでの経験と知識を貸して欲しいと言った瞬間、翔こそ自分が探していた存在…自分の保身ではなく社員や周りへの筋を通せる人間なのではないかと感じた。 そして、ファミリーレストランで暴れている自分の姿を見てもなお、臆することなく受け入れた翔に、竹原はこれが本当の意味で足を洗うことのできる…〝表返る〟最後のチャンスかもしれないと思った。 積年の想いからくる錯覚なのか…それを確かめるべく携帯電話を取り出すと、竹原は教えられていた翔の番号をダイヤルした。 『―もしもし、輝咲です…』 数回のコールの後、翔が電話口に出た。