STORYSHO Kizaki

#002-9 野球翔は1年半勤めた運送会社を辞めて、

2021.07.24

#002-9 野球翔は1年半勤めた運送会社を辞めて、広告に載っていたホストクラブ「ブルーナイト」に面接に行くことにした。酒が飲めず、ホストの世界がどういうものなのか、予備知識や情報がまったくないというのに。 現在(いま)よりも、ホストという職業が閉塞的だった時代だった。両親からは水商売の世界に行くことに猛反対された。申し訳ないと思いつつも、まだ見ぬ世界への好奇心が勝っていたのだ。面接し、採用が決まるとともに、これ以上面倒をかけたくないという実家と同じ草加市にある6畳ひと間のアパートで1人暮らしを始めた。こうして翔は完全にひとり立ちした。 後に“キャバクラの若き帝王”と呼ばれる輝咲翔のサクセスストーリーは、この時から始まる。 輝咲翔22歳を迎えたばかりの冬のことだった―。