STORYSHO Kizaki

#205-1 再起翌日、翔は早速、仲間

2022.1.16

#205-1 再起翌日、翔は早速、仲間たちに電話をかけた。 「店、もう一回やろう」 誰もがジュエルはこれで終わりだと思っていただけに驚いた。そして、1晩で立ち直った輝咲翔という人間の強さにも。 翔には今回の一件で誰よりも先に会いに行かなければならない相手がいた。翔は仲間たちへの電話を終えると、車を飛ばして、その相手の元へと向かった。 「―僕のことを信用してくれたのにこんなことになってしまい、本当にすいませんでした」 深く頭を下げた翔の眼前には鶴寿司の大将の姿があった。翔が誰よりも先に会いにいかなくてはならない相手とは、親兄弟でもないのに翔を信じて保証人にまでなってくれた大将だった。 「…」 大将は口を開かず無言のまま翔の姿を見ていた。翔は大将の口から言葉が出るまで頭を下げ続けた。 その状態が何分続いただろうか。大将がようやく重い口を開いた。 「それでどうするつもりなんだ、これから」 翔は頭を上げ、大将の眼を見てキッパリと言った。 「店、続けたいんです。あの場所で、もう1度!」