STORYSHO Kizaki

#308-6 攻略そして、翔はJR東金駅

2022.5.3

#308-6 攻略そして、翔はJR東金駅からほど近い歓楽街にあるキャバクラに連れていかれた。周囲の雰囲気はジュエルのある竹の塚と似ていた。店内は満席とまではいかないまでも、それなりに客が入り、流行っている様子だった。 席に着き、隣に座るキャストとしばらく話している時、翔はふいに思った。 ―東金にも店を開こう 酒が飲めない翔はプライベートでキャバクラに寄ることはほとんどなかったので、他店の接客レベルがどの程度のものかを知らなかった。そんな翔が東金の店で感じたことは、以前、南越谷の店で感じたのと同じ、スタッフへの教育の足りなさだった。 逆に言うと、それは翔の手掛ける店の質の高さの証明だった。この根本的な質の高さが、圧倒的なアドバンテージであることに、この時、初めて気付いた。 しかし一方で、この店の教育がたまたま徹底していなかっただけかもしれない。そう考えた翔は、谷に頼んで他にも数軒、東金のキャバクラを案内してもらった。最後の店についてしばらくした頃には東金への進出を決め、谷に物件の相談を始めていた。