STORYSHO Kizaki
#313-3 招聘翔の言葉に谷は
2022.9.04
#313-3 招聘翔の言葉に谷は戸惑っていた。実のところ、翔と谷はまだ付き合いが深いというわけではなく、その上、谷が何をしている人間かもよく知らなかった。東金界隈で主に裏の相談役を請け負っている、いわば〝闇の総合商社〟のような存在としか知らない。そういう意味では、全幅の信頼を寄せるにはリスクのある相手といえる。しかし、翔にはそんな事は関係なかった。それは竹原に対しても同じだった。 「ワシはアンタも見た通り〝ソッチ〟系やで」 「関係ないですよ。僕は竹原さんが今まで得た知識を貸して欲しいんです」 「経理を見るんやったら、ワシは自分のやり方でないとようできん。経営に口出しできるだけのポジションを、役員クラスのポジションを用意してもらえんことにはな」