STORYSHO Kizaki
#314-2 暗躍「まぁ、そうやけど…」
2022.9.11
#314-2 暗躍「まぁ、そうやけど…」 「喰えるだけ喰うて…そやなぁ、1億か2億くらい引っ張ったろやないか」 「…そうや…や」 竹原は歯切れ悪く答えた。谷は、その竹原の真意を伺うように鋭い視線で竹原の顔を見つめた。 谷は岩崎から紹介された翔を〝餌〟と見ていたのだ。その餌を、今こそ喰らう時と判断して、その道のプロの竹原を翔に紹介したのだ。 「竹原さん。何を迷っとるのか知らんが、あんじょう頼んまっせ」 そう言って部屋を出て行った。 この時、翔は全く知らなかった。裏社会に生きる2人が、翔を喰い物にしようと接近していた事など―