STORYSHO Kizaki

#002-6 野球富士井電機を半年で辞めた翔

2021.07.04

#002-6 野球富士井電機を半年で辞めた翔は、幼なじみの大平の父親が経営する運送会社でトラックの運転手として働き始めた。 野球ができる機会は地元の草野球で月2回程度に減ってしまったが、それまで工場の中に籠(こ)もって仕事をしていた翔にとって、見知らぬ土地に行けるトラック運転手という仕事は新鮮だった。給料も格段に良くなったし、何よりも高い位置にある運転席からの視界は気分が良かった。 最初は普通免許でも運転できる2tトラックで東京近郊に一斗缶を運んでいたが、次第にもっと大きなトラックを運転したくなった。入社から半年経つ頃には、大平社長に他の運送会社を紹介してもらい、そこで4tトラックを運転するようになった。 それを運転しているうちに、さらに大きなトラックを運転したくなり、大型とけん引、大型特殊と3つの免許を取ると1年後、またも紹介してもらった別の会社へ移った。