STORYSHO Kizaki

#012-2 蘇生上半身を起して叫んだ。

2021.11.21

#012-2 蘇生上半身を起して叫んだ。希望が湧いてきた。顔にまた活力が漲ってきた。「みんなとまた店がやれる。店を続けられる」そう思うと、沸き起こる興奮を抑えきれず、受話器を持つと仲間たちに片っ端から電話をかけまくった。 「もしもし、太田か。翔だけど―」 「達也さん、翔だけど…店は続けるよ」 「修さん、店は僕がオーナーになって続けるから、また助けて下さい」 「みんなで、あの店、もう1度やろう。今度は俺たちの店としてやろうよ」 翔の電話を受けた太田たちは思った。 (そういえばアイツは昔っから無鉄砲で、思いつきで行動する癖があったよな) 達也は思った。 (店を続けるってか…良かった。今さら、ブルーナイトには戻れねぇもんな) 修も思った。 (翔がオーナーか。こうなったら、とことん付き合うぜ) そして、他の仲間たちは言った。 (翔がやるなら、俺たちは喜んで付いていくよ)