STORYSHO Kizaki

#013-1 保証人シャルマンの閉店から1週間

2021.12.05

#013-1 保証人シャルマンの閉店から1週間、突如、閉店したシャルマンに驚き、翔の元には客から何本もの連絡が寄せられた。それらの客には、悟志の名誉に関わる部分は一切語らず、病気を理由に店を閉じたとだけ言った。 そして、自分たちで店を再会するつもりだが、保証人問題で頓挫していると正直に話した。すると、客の中から保証人を申し出てくれる人が何人もいた。だが翔は、それらを全て断った。気持ちはありがたかったが、その人たちは店の運営方法についても口出ししてきたからだ。翔には、それが仲間たちとの自由な雰囲気を壊してしまう気がしたのだ。 諦めきれない翔は、気が付くと夢遊病者のようにシャルマンのあったビルの前に立っていた。 (まだ、1週間しか経ってないんだよな…) たった1週間のはずが、翔には何年も前の事に感じられた。 (親父には保証人なんか絶対に頼めない。兄貴たちじゃ、仕事はしているけど持ち家じゃないし。ほとんど付き合いがない親戚も無理だ。お客に保証人になってもらうのはいいけど、店のやり方に口を挟まれるのはどうしても嫌だ。もう、どうしようもないのか…クソッ!)