STORYSHO Kizaki
#202-3 洗礼翔と男はジュエルから
2021.12.20
#202-3 洗礼翔と男はジュエルから数分の所にあるファミリーレストランに場所を移した。 「それでお話しというのは?」 「俺はこの辺を任されている者だ…といえば分かるよな」 「すいません。どういったご用件でしょうか?」 男を挑発するようなセリフだったが翔にとっては、ごく自然に出たセリフだった。この1年間、夜の世界で生きてきたが、一介のホストだった頃は、このテの人間たちとは直接絡む事はなく、店長となった時も既に悟志が〝そういった事〟は話をつけてあったので、翔はこの世界のルールというものを全く知らなかった。 その上、任侠映画にも全く興味がなかったので、この男がいったい何を言いたいのか想像すらできなかった。男はそんなことは当然知るはずもなく、サングラスを外すとドスの効いた声で話し始めた。